パリのど真ん中、シャトレやパリ市庁舎から近い場所に、ポツンとみえるのが、サン・ジャック塔(la Tour Saint Jacques)です。
この塔は素朴な外観で、教会のようにも見え、何なのかと思う方も多いのではないでしょうか。
この塔は昔は教会だったのですが、そのなかで塔だけが残っているのです。
パリにあるサン・ジャック塔(Tour Saint Jacques)
ゴシック・フランボワイヤン様式のサン・ジャック塔

サン・ジャック塔は、昔12世紀に建てられたサン・ジャック・ラ・ブシュリー教会(Eglise Saint-Jacques-la-Boucherie)の鐘楼部分です。
当時のパリで大きい教会といえば、ノートル・ダム大聖堂、サントゥスタッシュ教会です。
それに次いで3番めに大きい教会だったのです。
スタイルは、妖艶さを感じもする、ゴシック・フランボワイヤン様式です。

サン・ジャック・ラ・ブシュリー教会(Eglise Saint-Jacques-la-Boucherie)のブシュリーとは肉屋の意味で、この辺りには肉屋が多かったことが名前の由来です。
教会は当初1500年代造られましたが、フランス革命時にも破壊され、その後、国の所有となり、石の再利用のため教会が壊されてしまい、残ったのがこの塔の部分ということです。


大体どの角度からみても、同じ感じです。
それを1836年にはパリ市が買い上げ、パリ市の所有になっています。
1800年代前半は、パリのパッサージュが発達している時期です。塔も破壊されなくて良かったですね。
サン・ジャック塔の哲学者パスカルの像

塔の中に設置されている像は、パスカルの定理を発見した哲学者ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal)です。
「人間は考える葦である」など名文句やパスカルの賭けなどの遺稿集『パンセ』は有名です。
パスカルの定理の実験をこの塔で行ったということです。
有名なパスカルが残した「人間は考える葦である」という有名な言葉ですね。

サン・ジャック塔の見学
サン・ジャック塔には、約300段があり、狭い螺旋階段です。 健康でないとクラクラしそうです。
私は塔の上までいったことがありません。 登った友人は景色がパノラマになっていて、パリが一望できると言っていました。
見学は夏の間できるようです。
●名前サン・ジャックの塔 - la Tour Saint Jacques ●住所 88 rue de Rivoli 75004 (最寄り駅、1、4、7、11、14番線)
リヴォリ通りを通って、夜に塔をみると不思議な感じがします。 エッフェル塔のように見学に列ができていません。 近くまできたら、外を見るだけでもオススメです。