パリを舞台にした映画は多く、私もロケのシーンにでくわすこともあるくらいです。
なにせ毎日20もの撮影がパリではされているということ。
パリが舞台になっている映画は、ヌーベルバーグのゴダールやトリュフォーは勿論、外国人の監督のウディ・アレンなどもパリをテーマにしています。
私の好きな映画とパリのシーンを一緒にご紹介します。
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パリが舞台となった映画15選
パリが舞台になっている映画は、パリ出身の俳優や監督が作ったというわけでもなく、外人監督もパリを舞台にした映画を作っています。
舞台となっているのは、北のモンマルトルの丘から、セーヌ川まで、エッフェル塔、ノートルダム大聖堂、ソルボンヌ大学、リュクサンブール公園と、至るところが舞台となっています。
まずは、外国人の監督作品からです。
1「ミッドナイト・イン・パリ」
『ミッドナイト・イン・パリ』(Midnight in Paris)は、2011年作ウディ・アレン監督による、パリを舞台にしたファンタジックなコメディ映画です。
この映画の特徴は、外国人から見たパリがテーマで、パリを愛する監督として1920年代のパリや芸術家にオマージュを贈っています。
映画のあらすじは、ハリウッドの脚本家ギルと婚約者イネスとその家族が共にパリを訪れ、ギルが憧れる20年代のパリにタイムスリップするというストーリー。そんな中にはカタロニア人画家のサルバドール・ダリもいます。
ウディ・アレンがこの映画で、外国人からみたパリを描いており、ギルも外国人なのです。

ジルが夜にパンテオン寺院の小道を散歩し、教会にある石の階段に座っていると、車が近寄ってくるシーンが印象に残ります。
車に乗っている人から話しかけられ、乗るように誘われて、行きつけた場所には、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ダリなどがおり、パリに居合わせたアーティストや、芸術家との出会いが始まります。
昼と夜、現在と過去を行き来して、セーヌ川の美しい風景や、雰囲気を楽しませてくれます。
この「ミッドナイト・イン・パリ」の時代は、1920年、まさしくパリがベルエポックを過ぎ、1次大戦の後のパリです。
2「アメリ」
『アメリ』(Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)は、2001年作フランスの映画で、ジャン=ピエール・ジュネ監督によるロマンティック・コメディ映画です。
映画はモンマルトル地区を中心に展開されており、モンマルトルの丘、電話ボックス、そこから見えるパリの街並みや風景が美しく描かれています。
映画の主人公であるアメリは、パリのモンマルトル地区のカフェに勤務する若い女性で、ある男性に恋をし、それを伝えるまでに時間がかかるのです。

ミステリーともいうのか、フォトマトンという、身分証明書用の写真を撮影する写真撮影機の下の写真を、彼となる男性が探しています。
そのミステリーは最後に解明されます。

「アメリ」のストリーはユニークで、映像美があり、惹かれる音楽が組み合わさった作品であり、この映画を観ると、モンマルトル好きになるの間違いなしです。
3「パリ、ジュテーム」
『パリ、ジュテーム』(Paris, je t'aime)は、2006年の18人の監督のオムニバス形式のフランスの映画です。
オムニバスとは各駅停車の意味で、世界中の18人の監督による「愛」をテーマにした短編オムニバス映画です。
パリ20区のうち18の区を舞台に、1区につき約5分間の短編映画になっています。
この映画では、「モンマルトル」、「カルチェラタン」も舞台になっていて、6区にあるリュクサンブール公園の前のカフェが、カルチェラタンの舞台となっています。
ジェラール・ドパルデューが、カフェの店主ギャルソン役をしています。

このカルチェラタンの短編では、カフェにきた、二人の老夫婦の離婚の匂いを嗅ぎとる、ギャルソンの存在が綺麗に描かれているいます。
演技がまたいいのです。
カルチェラタン以外では、その他に、ペール・ラシェーズ墓地の死んだはずの、オスカー・ワイルドが現れるなど、奇想天外な演出ありますが、地区に住む様々な人々の生活や恋愛を中心に展開されています。
街並みや風景が美しく描かれており、パリの魅力的な一面を映し出しています。
4「大人は判ってくれない」
『大人は判ってくれない』(Les Quatre Cents Coups)は、1959年作フランソワ・トリュフォー監督の最初の長編映画です。
日本語タイトルでは、大人は判ってくれないですが、フランス語原題は「Les Quatre Cents Coups」で、直訳は「400回の殴打」で、どんちゃん騒ぎをする、はめを外して遊ぶの意味です。
実はトリュフォー自身が非行少年だったので、トリュフォー自身の幼少時代の自伝とも言うべき作品です。
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舞台は、パリのリーヴ・ドロワットの、トリニティ(トリニテ)教会前の池に主人公が現れるシーンから始まります。

この映画は成功し、トリュフォーはいわゆる「アントワーヌ・ドワネル」シリーズを次々と発表していきます。
トリュフォーはヌーベルバーグを不動のものとしていった監督で名声も得るのです。
この映画は特に、トリュフォーの自伝でもあり、親に見捨てられた親子の関係が描かれていて、切ないのが凄く上手く伝わってきます。
ちなみにトリュフォーは右岸(リーヴ・ドロワット)を愛した監督で、この教会がある9区で生まれ、結婚するまでずっと9区に住んでいました。
5「勝手にしやがれ」
『勝手にしやがれ』(À bout de souffle)は、1960年作、監督・脚本はジャン=リュック・ゴダール、出演はジャン=ポール・ベルモンドとジーン・セバーグ、代表作です。

トリュフォーの『大人は判ってくれない』の翌年に出、ヌーヴェルヴァーグの位置を確実なものとした傑作です。

ジーン・セバーグがヘラルドトリビューン紙を売っているのは、シャンゼリゼ通りで、ヘラルドトリビューンの発音がなんとも英語で、フランス語の映画の中で、目立つシーンです。
映画は、ハンフリー・ボガートを崇めるミシェル役、ジャン=ポール・ベルモンドが、パリに着いたものの文無しで警察からも追われ、アメリカ人のガールフレンド、パトリシア扮するジーン・セバーグに出会い、恋愛も絡んだ、刑事映画です。
最後に、ミシェルは逃げるなか、刑事に撃たれて死にますが、「本当に最低だ」と、死ぬ寸前にミシェルがいう場面が感動のシーンです。
ジャン=リュック・ゴダールは、ジャン=ポール・ベルモンドは死に方が上手い役者と評していましたが、この最後のシーンは、是非ともみておきたいシーンです。
ジャンポールベルモンド、ジーン・セバーグ、ゴダールが一躍有名となったのです。
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6「5時から7時までのクレオ」
『5時から7時までのクレオ』(Cléo de 5 à 7)は1962年作、アニエス・ヴァルダ監督の映画で、主人公の女性歌手クレオがガンの診断結果を待ち、クレオの「5時から7時まで」をリアルタイムで切り取った作品で、ヴァルダの初期の傑作です。

音楽家のミシェル・ルグランがクレオの友人である音楽家ボブを演じ、「勝手にしやがれ」の監督ジャン=リュック・ゴダール、ゴダールが一時結婚していたアンナ・カリーナも出演しています。
ジャン=リュック・ゴダールや、アンナ・カリーナが出演で、当時のヌーベルバーグを感じるものです。

コリーヌ・マルシャル演じるクレオはセーヌ川の岸辺を散歩し、シャンゼリゼ通り、モンパルナス地区、ブラッスリーのドームなど、オデオンの交差点、パリ市内の至るところが映画の舞台になっています。
音楽がミシェル・ルグランで、本作中にボブ役で登場し、楽曲を演奏しているのも見もので、映画は見どころ一杯です。
この映画で、コリーヌ・マルシャンも一躍有名となった出席作です。この映画は、パリの隅々まで描かれていて、パリを見るにはオススメです。
7「はなればなれに」
『はなればなれに』(Bande à part)は、1964年のジャン=リュック・ゴダール監督の映画です。
ミュージカル風シーンもあるコメディ・タッチの犯罪ミステリーで、主役にアンナ・カリーナ出演しています。
映画は、ある冬のパリ。2人の親友の青年が英語学校で美しい生徒オディル(アンナ・カリーナ)に恋をして、オディルのおばの持っているだろう大金を盗む計画をするというもの。
決行の日、計画通りには事態は進まず、フランツとオディルは逃走するのですが。

音楽はミシェル・ルグランのこの映画では、ルーブル美術館での3人のダンス・シーンで、アンナ・カリーナ、クロード・ブラッスール、サミ・フレーの3人がダンスが始まり、パリのカフェの中で踊るシーン、ルーヴル美術館を駆け巡るシーンは印象に残ります。
8「ポンヌフの恋人」
『ポンヌフの恋人』(Les Amants du Pont-Neuf) は、1991年作、レオス・カラックス監督、ジュリエット・ビノシュとデニス・ラヴァントが主演した恋愛映画です。
パリのセーヌ川にかかるリュ・ポンヌフを舞台に、ホームレスの芸術家ミシェルと視力を失った女性アレックスの恋愛を描いています。
この映画で、ポンヌフ周辺の風景や、パリの夜景を美しく描写され、ポンヌフは一躍有名になりました。

ポンヌフ橋で繰り広げられる撮影で、費用がかさみ、途中では南フランスへセットが移動したくらいです。
フランス革命記念日の花火に打ち上げものシーンも綺麗で、パリのワンショットで印象に残っています。

ジュリエット・ビノシュとポンヌフを有名にした映画です。
9「イヴ・サンローラン」
『イヴ・サンローラン』(Yves Saint Laurent)は、2014年作、監督はジャリル・レスペールの、ファッションデザイナー、イヴ・サン=ローランの生涯を描いた映画です。

アルジェリア生まれの、繊細な感性の持ち主、デッサンの才能があるイヴ・サン=ローランが、クリスチャン・ディオールのメゾンでデザイナーとなり、パリで名声を博していき、同性の恋人で後援者でもあるピエール・ベルジェとの関係を通して描いています。

出演はピエール・ニネとギヨーム・ガリエンヌと他。
ピエール・二ネの視線など、かなりイヴサンローランと似ていて、適役さが伺える作品です。
イヴサンローランの映画は、この他にも2つありますが、このピエール・ニネの作品はピエール・ベルジェ財団に認められています。
イヴサンローランのこれまでの作品は、イヴサンローラン美術館、ベルジェ財団で保存されており、映画でもこれまでの作品が多く見れます。
10「北ホテル」
『北駅ホテル』(Hôtel du Nord)は、1938年のマルセル・カルネ監督の悲哀恋愛映画です。
パリのカナルサンマルタン(サンマルタン運河)を舞台にした名優が出演している、情緒たっぷりの映画です。
カナルサンマルタンにある、北ホテルは庶民的なホテルで、そこに若い二人が訪れ、そこでピストル事件が起こり、居合わせた、レイモンド役のアルレッティと、エドモンド役のルイ・ジュベの情婦とひも関係の横展開があります。

カナルサンマルタンや北ホテルが有名になりました。

もともとこの映画は、主演のアナベラを起用したのですが、演技力でアルレッティに食われてしまっています。
アルレッティの、「雰囲気、雰囲気、私が雰囲気の顔をしているの?」の台詞があまりにも有名となりました。
11「モンテーニュ通りのカフェ」
『モンテーニュ通りのカフェ』 (Fauteuils d'orchestre) は、ダニエル・トンプソン監督の2006年の作、パリ8区・モンテーニュ通りを舞台にした映画です。

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原題 は、Fauteuils d'orchestre の意味は、劇中音楽を演奏する楽団に近い席のことです。
最初、日本で開催された2006年フランス映画祭では、原題の『オーケストラ・シート』日本語題で上映されたのが、題名では通じ難いので、舞台の通りの名前、モンテーニュ通りAvenue Montaigneになっています。
このモンテーニュ通りは、パラスホテルや高級ブティックが立ち並ぶ通りで、パリに憧れ上京したセシル・ドゥ・フランス演じるジェシカが、モンテーニュ通りのカフェでウエートレスとして勤め、そこで、有名人と関わっていく内容で、主役のセシル・ドゥ・フランスの役柄が上手く伝わってきます。
映画の名前のように、モンテーニュ通りは有名なカフェ、『ラヴニュ』や、

パラスホテルのプラザ・アテネがあります。

エンディングの主題歌が、ダリダの曲のカバーで、「迎えに行くからね Je reviens te chercher」がまた、映画にピッタリ。 【広告】

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12「パリの恋人たち」
『パリの恋人たち』 (l'homme fidèle) は、ルイ・ガレル監督の2018年の作、主演も務めたルイ・ガレル監督が女と男と女の絡みあった恋愛模様を描いた映画です。

アベル役の監督は3年間同棲したマリアンヌから妊娠を告げられ喜ぶが、父親は友人・ポールだと知らせれ、その後別れることになり、それから数年後、親友だったポールは死んでしまうのでした。
葬儀でアベルはマリアンヌと再会し、そこからポールの妹から告白されるという展開です。
このマリアンヌ役は、実際ルイ・ガレル監督の同性する愛する元ファッションモデルの女優レティシア・カスタです。
フランス語原題は、 l'homme fidèleと、不貞をしない男です。 フランス語の方が、ストーリー性を感じますね。 さて展開はどうなるのでしょうか。
13「モンパルナスの灯」
『モンパルナスの灯』 (Monparnasse19) は、ジャック・ベッケル監督の1958年の作、主演:ジェラール・フィリップが画家のモディリアーニのパリ生活を描いた映画です。

画家のモディリアーニは、イタリアからパリに来て、才能はあるが絵があまり売れない若い画家。
生きている間はほとんど絵が売れい、常に貧乏のどん底で死んでいく一生をジェラール・フィリップが演じています。
ジャンヌ(アヌーク・エメ)は無垢な美人の結婚相手、ジャンヌの両親の反対を押し切り結婚するが、無垢同士な結婚もわざわいして、日の目をみずに、モディリアーニは雨のなか歩いて、結核が悪化して死んでしまうというもの。
モディリアーニは、当時の多くの画家とモンパルナスに住んでいいた画家。ジェラール・フィリップの魅力いっぱいの映画です。
14「死刑台のエレベーター」
『死刑台のエレベーター』 (Ascenseur pour l'échafaud) は、ルイ・マル監督の1957年の作、主演:ジャンヌ・モローのミステリー作品です。

石油で大企業となった会社社長の側近ジュリアン(モーリス・ロネ)と社長夫人のフロランス(ジャンヌ・モロー)の不倫から、側近が社長殺害を計画され、 完全犯罪を成し遂げるずだったが、失敗に終わる筋書きです。
ジュリアンは社長殺害のあと、ロープを忘れたことに気付き引き返し、会社のエレベーター内に閉じ込められてしまうのでした。
ヌーベルバーグのルイ・マルが25歳の若さで手掛けた監督デビュー作で、ジャンヌ・モローは化粧なしのスッピンで、「Je t'aime 」と呟くシーンから始まる、サスペンスたっぶりの映画になっています。
計画で殺害のあとカフェで待ち合わせをするのですが、ジュリアンはエレベーターに中に閉じ込められて、待ち合わせ場所へ来れず、フロランスは裏切れらたと感じ、パリの街を徘徊するのでした。
15「美しい人」
『美しい人』(La Belle Personne)は、クリストフ・オノレ監督の2008年のフランスの青春恋愛映画です。
高校が舞台になっており、小説『クレーヴの奥方』の現代版ともいえます。
主演女優が、サラ・セドュー、主演男優が主演も務めたルイ・ガレルで、高校生の女と男の恋愛模様を描いた映画です。
サラ・セドュー扮するジュニーは、母をなくしてパリの高校(リセ)に転校して来、そこで何人かから好意を寄せられます。
ジュニーはおとなしいオットーを選ぶのですが、ルイ・ガレル扮するイタリア語の教師ヌムールは、ジュニーに一目惚れするのです。
オットーはジュニーに付き合ってくれと申しでるのですが、『貴方はハンサムで、そのうち私を去る』といい、申し込みを拒否、そうしいる間に、ヌムールが、勘違いをして、校舎から飛び降りて自殺するのでした。
この映画の中でも、レア・セドゥーは、真っ黒いロングのカツラでジュニーを演じます。

さてジュニーはパリを離れるのでしょうか。
パリが舞台の映画15選まとめ
パリが舞台となった映画の中で、パリの街並みが存分に楽しめる映画15選をご紹介しました。
映画はスタジオの中の撮影が多いと、景色がすくないのですが、この14選はセーヌ川、シャンゼリゼ通り、公園と至るところが映画のワンシーンとなっています。
色々と廻りたい観光スポットを歩くと、映画のシーンが浮かび上がってくるかと思います。