バルセロナに所属する、フランス人の人気サッカー選手、ウスマン・デンベレ選手とアントワーヌ・グリーズマン選手が日本人を侮辱している、と言われている動画が流出し、フランスでもニュースになっています。
問題の動画は、デンベレとグリーズマン両選手が日本の滞在先のホテルでPES(Pro Evolution Soccer プロ・エボリュション・ソッセー「ウイニングイレブン」の欧州版)のセッティングで言った台詞でした。
流出した動画では、ビデオゲームのセッティングに部屋にきたホテルのスタッフさんに、「Toutes ces sales gueules, pour jouer à PES, t'as pas honte」 とデンベレがフランス語で言ったのです。
このフレーズはフランス語ではどんな意味なのでしょうか。差別発言なのでしょうか。
フランス人サッカー選手が差別発言?本当の意味は?
まず、日本のニュースでは差別発言とも言われていますが、フランス語では、差別発言とは言いにくいです。
ウスマン・デンベレとアントワーヌ・グリーズマンの発言?
ビデオは、スペイン1部リーグ、バルセロナに所属する、ウスマン・デンベレ選手とアントワーヌ・グリーズマン選手のやり取りを映したものです。
問題発言とされているビデオが撮影されたのは、2019年に2人が日本に楽天杯で行ったときのもののようです。
ビデオの流出は、インスタグラムのストーリーズに上がったものを、誰かが見、ビデオで撮り、それをツイッターで拡散したとなっています。
フランスの新聞では、2019年に楽天杯で二人が日本へ行った時だとしていますので、1年も前に撮影されたものを今になってストーリーズに上げたことになります。
撮影者と思われるはデンベレ選手で、泊まったホテルでビデオゲームの設置をホテル側に依頼し、スタッフ3名が部屋まで来て、テレビの前で作業していた模様です。
設置に手間取ったのが、部屋にいたグリーズマン選手に「Toutes ces sales gueules, pour jouer à PES, t'as pas honte」と。
日本語のニュースでは、
「醜い顔ばかりだ。PESをプレーするだけなのに。恥ずかしくないのか」となっていますが、
訳は「こいつら、PESのゲームするのに、恥ずかしくないのか」 です。 汚い顔とかの意味ではなく、能力が低いという意味です。
と言ったのはデンベレ選手で、グリーズマン選手へ向かってで、ゲームを早くしたかったようで、設置に時間がかかったようですね。
もしくは、5分で設置してほしかったのかですが、10分かかってそんな発言をしたのかはわかりません。
「vous êtes en avance ou vous n’êtes pas en avance dans votre pays ?」 とも言っています。
これも日本のニュースでは、スタッフさんに、「どんな後進国の言葉なんだ」、「お前の国は技術的に進んでいるんじゃないのか」と訳されていますが、
正しくは、
「あなたの国であなた方は進んでいるんですか、それとも遅れているんですか?」 という意味で、スタッフさんへは、「お前」呼ばわりはしていません。
確かにビデオゲームやソニーなど電化製品では、フランスでは日本が先進国のイメージが強いです。ですので、簡単に設置が済むと期待していたのかもしれません。
これら2つの言い方は、「お兄さんたち、早く設置して」という意味と解釈できます。
ここまでならさほど問題発言ともならなかったのしょうが、
しかし、それ以外にもあり、
差別発言とは解釈できるのはどの部分?
新聞に載っているツィーターの投稿の動画では、グリスマンがデンベレ両選手が一緒に笑い合っている様子が映されていました。
また言葉は聞き取りにくいですが、新聞に書かれているフランス語では、これら2つの発言以外に、スタッフの中の一人の体型と日本語について茶化したようです。
最初の2つだけなら、フランスではよくあることで、人種差別発言とはとられなかったのでしょう。
日本でも若者が、大人の作業員さんへそんなことを言うのは聞いたことがあります。
ところが、体型についてのコメントは全文書かれていなかったのですが、反響があったのです。
動画は今月7月2日に流出後、すぐに拡散され、人種差別として物議を醸し、既に、コナミはグリスマンとの契約は打ち切りました。
7月7日のE1新聞では、 「l'éditeur de jeux vidéo Konami annule son contrat avec Griezmann」 と書いていました。 意味は➡ビデオゲーム社のコナミはグリスマンとの契約を打ち切る。
と報じていました。
グリスマンは、コナミ社のアンバサダーをしていたのですが、契約打ち切りはキツイですね。
ツイッターでの拡散が7月2日、二人とも7月5日に、正式に謝罪をしましたが、体を馬鹿にするのは、スポーツ選手としてどんなものか、境界線をこしたのは、許し難いと判断されたようです。
更に、新聞では、バルセロナ(FC Barcelone)のスポンサーである楽天の社長が、バルセロナに対して動画の説明を求めたとなっています。
ウスマン・デンベレとアントワーヌ・グリーズマンの謝罪は?
コナミはグリーズマンとの契約打ち切りをするに至りましたが、二人とも7月5日に、正式に謝罪をしました。
にもかかわらず、謝罪の内容に誠意が感じられなかったのか、体を馬鹿にしたのなら、スポーツ選手としてどんなものか、境界線をこし、許し難いと判断されたようです。
ただ、人種差別発言なのかについては、そうは思われないですし、
「醜い顔」の表現で、
●「Toutes ces sales gueules, pour jouer à PES, t'as pas honte」 で、Gueuleという単語を使っています。
同じ醜い顔でも、他にも言い方がありますので、品は良くないとはいえますが、日常的にこのような言い方を使ったいるだけだとも言えます。
実際に謝罪でも、アジア人を馬鹿にしたという嫌疑に関して、
"Elle aurait pu se dérouler n'importe où sur la planète, j'aurais utilisé les mêmes expressions", 訳➡このシーン(自分が言ったことについて)は世界中のどこででもあり得、僕はこのような言い方をしたと思う。
と言っています。
行った先がアメリカでも、ロシアでも、おんなじ反応をしていたという意味です。
ですので、日本人に対してということはないというこです。
アジア人に対する差別と取られたのは、どんなものなのかですよね。
二人はフランス人選手ですので、フランスにいる時も、競技先のスペインにいる時もこんな表現をしているなら、品格の問題ですね。
ですので、人種差別と判断するのは違うと言えます。
ただ、問題は、下品な言い方をしたのを、わざわざSNSに投稿したことです。
言葉ではがっかりですが、競技場の写真があったのでご覧ください。
バルセロナのサッカー競技場(カンプ・ノウ)
スペイン1部リーグ、バルセロナのサッカー競技場は、「カンプ・ノウ」です。
以前に行った時の写真がありましたので、お昼と夜の写真です。


参考資料
Vidéo de Dembélé et Griezmann : l'éditeur de jeux vidéo Konami annule son contrat avec Griezmann
まとめ
まとめとして、撮影したものを動画にして、SNSの投稿をしたのは、全くもってナンセンスだと思いました。
ただ、人種差別扱いしている発言ではないと感じています。
それと、人様を馬鹿にしているかどうかは、サッカー選手の稼ぎはいいです。そこまで練習も必死でして、1部リーグになった人達ですから。
そこまで有名になったサッカー選手の稼ぎはいいですから、お金で手に入るものも多いはずです。それはあると思います。
今となっては、わざわざSNSに投稿したことで、最終的にコナミ社から契約打ち切りとなり、次は楽天がバルセロナに対してどんな態度をとるのか、注目するところですね。