7区の閑静なロダン美術館の隣にある、星付きレストラン「Auguste」のオーナーシェフ、Orieuxシェフをご紹介します。
「Auguste オーギュスト」といえば、フランス料理界の巨匠オーギュスト・エスコフィエを思い浮かべるのではないでしょうか。
彫刻家のロダンの名前も、オーギュスト・ロダンで、ロダン美術館から徒歩3分のところにあります。
「Auguste」は2004年にオープンし、翌年には1つ星をゲットし、ずっと1つ星をキープしている、パリのレストランの中でも貴重な存在です。
オーナーシェフ、オリウさんのインタビューをご紹介します。
パリ7区星つきレストラン「Auguste」オーギュスト
「Auguste」オギュスト(オーギュストではなく、オギュストがフランス語の発音に近い)の内装は、色調がブルーで統一されています。
オーナーシェフのオリウ(Gaël Orieux)さんは、オーギュスト・エスコフィエの料理の原点に立ち、そして、オリウさんの料理観を展開しています。
「オーギュスト」オリウ(Orieux)シェフのインタビュー
「Auguste」オーギュストが1つ星に輝いたのは、2005年です。
この7区に居を構えたのが、2004年ですので、翌年には★をゲットするという速さでした。
それもそのはず、ガエル・オリウ(Gaël Orieux)シェフの経歴がすごいです。
Orieuxシェフ、今日はありがとうございます。早速ですが、レストランは流行っていますね。星付きレストランは、人が少なめなイメージがありました。レストランの前に来て、ひっそりとしている感じで、わざと目立たないしているのでしょうか。知っている人のみぞ、知るという雰囲気ですね。
はい、ありがとうございます。そうですね、レストランはおかげさまで、常に満席状態です。このレストランを目立たない外観にしているのは、私の意図するところで、ひっそりとした佇まいにしています。7区にあることで公官庁も多く、政界関係者も多く、このレストランの雰囲気は合っているのです。また、ロダン美術館、アンヴァリッドへ観光の方も多いです。
mise en bouche 「ミーズ・オン・ブシュ」サーモン・貝柱・シュー
レストランの外観で、ともて高いイメージがありました。しかし、このくらいの値段でできるのかと驚きました。そして、前菜、メイン、デザートの3品が全てバランスよく、完璧ですね。
ランチメニューは、私がこのオギュストを始めてから、ずっとこの値段でやってきました。当時は35ユーロ、15年して、今は39ユーロです。この値段でできるのは、常に満席だからできるのです。立地が良いのもありますが、おかげさまで、高評価をいただいています。
卵のムース(ムースはずっと冷めないで、卵がずっと半熟!)Oeuf de poule nacré, courgettes violons
Carottes jaunes en aigre douce
高評価なのは、納得です。それにしても、シェフの経歴がすごいですね。最初に名門校、フェランディ(Ferrandi)卒業後、首相官邸で2年間、厨房で兵役をされたのですね。
当時は、バラドュール首相でした。それからは、ポール・ボキューズ、ルカ・カルトンと、最後にホテル、ル・ムーリスでは、ヤニック・アレノシェフの、副シェフを務めてから、ここにオーナーシェフとしてAugusteをオープンしました。
こうして経歴をお聞きしますと、順調にキャリアアップをされています。料理界は厳しいと聞いていますが、長い間、仕事は厳しくはなかったのでしょうか。
そのようにメディアでは言われいますが、私自身は、兵役を行い規律は大事なことだと思っていますし、そのような経験はないのです。パワハラが料理界で目立ってメディアで言われるのは何なのでしょうかね。
そうですね、一般企業でも随分とあります。おっしゃる通りです。ところで、シェフは、魚の本「70種類の魚と90のレシピ」を出版されていますね。海のエコシステムなのですね。
【CUISINER LA MER(キュイズィネ・ラ・メール(海を料理する)GAËL ORIEUX】
はい、2016年にはこの本を書き上げるのに時間がかかりました。フランスではある一定の魚が料理で使われる傾向があります。それでは魚介資源の循環ができません。高貴な魚だけでなく、すべての魚は、その特徴を活かして調理されるべきです。魚に関しては、塩け多いと言われますが、それはヨードの味で、塩を加味しているからではないのです。
黄ダラ、セロリとナベのピュレ添え(ブドウの皮の煮詰ソース)Lieu jaune, racines,
pulpe de raisin et navet long
こちらのレストランは、魚に特化したレストランなのでしょうか?
いいえ、私自身は大西洋のブルターニュの魚資源を尊重し、このレストランのオープン以来、海のリサイクルという考えをずっと大事にしています。しかし、オギュストは、比重としては肉料理が多いです。
小鴨肉と、ナスのみそ仕上げノワゼットかけ、ジロルタケ添え(みそは八丁みその味に近く、ナス田楽にも似たよう)Canette, aubergine "miso-noisette" Girolles en pickles
ところでシェフ、こちらで食事をして、驚きました。前菜、メイン、デザート全てが美味しいというのが、すごいです。お昼のランチはどれか一つが少し味が落ちていることが多かったのです。こちらは3品がすべて美味しく感動です。それとお客さんは、フランス人だけではなく、アジア人も多いのですね。
来られる方は、フランス人だけではく、アジア人、特に中国人も多く、おかげ様で、年末までアジアからのお客様の予約で席が埋まっています。
デザートは、
アプリコット・ロティ、ハチミツとローズマリー、イヴォワールのチョコレート風味のシャンティイクリーム、極薄ビスケット添え)Abricots rôtis, miel et romarin
chantilly au chocolat ivoire et feuillantines
人気なのは、納得です。私が言うのもなんですが、レベルが高いです😊
アプリコットのロティとイヴォワールのチョコレート入りのシャンティイクリームと、薄いビスケット(feuillantines)
がとても良く合います。食べていくうちに溶けてハーモーニー
ところで、レストランの名前がオギュストとなっていますが、Orieuxシェフはオーギュスト・エスコフィエさんの料理観を大切にしているのでしょうか。
そうですね、エスコフィエの料理はフランス料理の基軸となっています。煮込み料理は基本で、ソースのベースです。現在はレストランで、フランス料理が綺麗に飾り付けらることに押されている感があります。このレストランでは、花の装飾は抑え、ソースを充実させています。ミシュランとも話をしますが、「お客様へ作りたい料理を作る」という基本姿勢をこのまま続けていくつもりです。
アントレから、デザートまでこのワインで合わせました。
Orieuxシェフの哲学には感動です。今日はお時間をありがとうございました。
こちらのほうこそ。またお越しください。
まとめ
オリウ(Orieux)オーナーシェフの料理観を語ってもらいました。
オーナーシェフとして2005年から、ずっと1つ星を維持しているシェフの哲学を感じるインタビューでした。
Orieuxシェフは、見た目を重視した料理を超え、エスコフィエが説く、煮込み料理の大切さを言われています。
ラフルシェットの評価でも9.5と得点が高く、食べてみると納得です!😊
ボンナぺティ(^^♪
パリのレストランと街角巡り: パリ在住のグルメブロガーおすすめビストロとカフェ60選
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