
数ある星付きレストランでも、パリのエスプリと伝統をもつレストランといえば「ル・グラン・ヴェフール」です。
「ル・グラン・ヴェフール」はパレ・ロワイヤル(王宮)の中にあり、格調高いレストランです。
パレ・ロワイヤルには、資生堂が香水店を1970年代から出店させています。
王宮だっただけあり、格式を感じる一角となっています。
ギィ・マルタンシェフがル・グラン・ヴェフールの料理長に就任したのは1980年ですので、すでにシェフとして39年が経っています。
2004年には、小泉前総理をランチに迎えましたが、フランス政府の要人や、各界の著名人が頻繁に行くレストランでもあります。
ル・グラン・ヴェフールの料理と、このパレロワイヤルの組み合わせが、特別な品格を作っているということなのでしょう。
早速ご紹介します(^^♪
ル・グラン・ヴェフールの歴史
ル・グラン・ヴェフールの特徴は、何と言ってもベル・エポックの建物で、歴史建造物にも指定されていることです。
レストランの中の装飾が見応えがあります。映画の、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」や、モーパッサンの短編などに撮影されました。

パレ・ロワイヤルの回廊の中にあり、1884年に「カフェ・ド・シャルトル」としてオープンしました。

その後、ジャン・ヴェフールによりレストランに変わり、著名人や知識階級が集まるレストランとなっていったのです。
パリ1区にある立地ということもあり、中でも
- ジャン・コクトー
- ジャン・マレ
- コレット
- ヴィクトル・ユゴー
- アンドレ・マルロー
- ジャン・ポール・サルトル
- シモ―ヌ・ドゥ・ボーボーワール
などは足しげく通った有名人です。
店内は小さめで、ぎっしり美しい装飾で埋め尽くされています。
ジョルジュ・サンドが食事をしたという席、隣が文豪の一人アレクサンドル・デュマ(父)の席で、また後方がナポレオンとジョゼフィーヌなど、テーブルには名前がついています。
他の星付きのレストランの店内の装飾とは違い、ずっと歴史の重みを継承している基調な存在です。

2011年からシェフのギィ・マルタンさんが、オーナーになりました。
それでは、ル・グラン・ヴェフールのランチをみてみましょう。
ル・グラン・ヴェフールのランチ
ランチタイムのコース料理です(^^♪ お昼は比較的手ごろなお値段です。
5品からなっています。
バターは、ベイユヴェールのバターが置かれています。

最初の前菜の前のミ―ズ・オン・ブーシュです。

その次の前菜で、クリのポタージュです。

カモのフィレのポテトのピューレ、カシスソース添えです。

次に、ポテトピューレのトリュフソースがでてきました。 写真を撮るのを忘れました。
次のチーズでがワゴンで出てきますので、中からいくつか選べます。

ワゴン上にも30種類くらいはありますが、頼むのは大体3種類くらいでしょうか。

次に、デザートの前の小デザートのチョコレートです。

それから、デザートはチョコレート「ラ・スルプリーズ・オ・ショコラ」と言って、アイスクリームが乗ったガトーショコラのミロワール。

その後に、ベトラブのムース、

そして、マカロンとコーヒーが。

コースとしては、前菜、メイン、デザートの3品ですが、ミーズ・オン・ブーシュと、ジャガイモのピューレ、小さめのデザートが2こ、そしてマカロンや、果物んpコンフィがありますので、おかなを空かしていかないと、お昼のお得なコースでも全部は食べきれないです。
では次に、ル・グラン・ヴェフールのオーナーのギィ・マルタンシェフの料理に対する姿勢や、食についての考えをご紹介します。
ギィ・マルタンシェフの食へのこだわり
マルタンシェフってどんな人?
マルタンシェフは、1957年にフランスのサヴォワ地方ブール・サン・モーリスの生まれです。サヴォアといえばラクレットチーズで有名な地方です。
バカロレア(高校)を取得してから19歳でピザ店で働き始め、色々なレストランで修行をしつつ、独学でフランス料理を極めていきました。
1985年には、シャトー・ドゥ・ディヴォンヌでシェフとして働いて6か月後に、ミシュランガイドから一つ星を獲得しました。
このレストランではたったの3人でやっていたのと、6か月という短期間に、料理の世界を確立してしまうのですから驚きです。
その後1990年、同レストランで、二つ星を獲得しました。
そして1991年にル・グラン・ヴェフールの料理長兼ディレクターに就任後、2000年同レストランを18年ぶりに三つ星昇格に導きました。
現在ミシュランガイドの星の評価は二つ星ですが、料理への情熱を食育で展開しています。
マルタンシェフの食へのこだわり
マルタンさんはル・グラン・ヴェフールのシェフとしてフランス料理の伝統を守りつつ、料理の素材は特に厳選しています。
ル・グラン・ヴェフールで出しているバターは、フランスの西海岸にある伝統的な技法を使っている作っているヴェイユベールのバターです。
また、食には特別なこだわりがあるシェフで、「シェフの哲学―食の探求から三つ星レストランの運営まで」という、料理の哲学についての本を出されています。
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食育の面で、健康を害している人へ向けて、また健康を維持できるには食べ物がとても大事ということを主張されています。
フランスも日本と同じくストレス社会で、ファストフードを電子レンジで温めて食べる人が多いです。
ストレスがあり、またそんなファストフードで体調を崩している人へ向けて、食材こそが、病気への療法というメッセージを出しています。
栄養学専門のミシェフ・シャスト医師と共同で、「栄養の再構築」という本を出版されています。
日本との連携
マルタンシェフはザ・キャピトルホテル東急と提携することになりました。
1990年にザ・キャピトル東急の総料理長の加藤シェフに会ったのがきっかけで、提携にいたりましたが、料理に通じるところがあるようです。
「私はザ・キャピトルホテル 東急の総料理長である加藤 完十郎氏と1990年以来のお付き合いをさせていただいています。今回の提携はその28年の友情の結晶とも言えます。 <中略> また、フランス語で“Art de vivre”(art:芸術、vivre:生き方)という概念があるのですが、フランス人の私から見て、ザ・キャピトルホテル 東急は日本の文化を大切にした、まさにそれ持っている素晴らしいホテルだと感じています」 引用先 : http://www.hoteresonline.com/articles/6223
彼は、自身のフランスの料理のノウハウを日本に伝えると同時に、ル・グラン・ヴェフールの料理に日本の食材と味わいを取り入れているようです。
パレ・ロワイヤルについて
ル・グラン・ヴェフールはパレ・ロワイヤルの一角にあります。隣には有名なルーブル美術館があります。

パレ・ロワイヤルは回廊にかこまれており、真ん中に中庭があります。
元々、リシュリュー宰相が建設し、ルーブルに住んでいた13世に遺贈されたものです。

学院側の中庭です。

回廊の柱です。
リシュリューの死後、ルイ14世がルーブルから移り住むことになり、王宮(パレ・ロワイヤル)と呼ばれるようになりました。
その後パレ・ロワイヤルにはルイ14世の弟のフィリップ1世が居住し、敷地内に音楽学校や舞曲学校を設立しました。そしてフィリップ1世の豪華な取り巻きらが集まる一大サロンとなりました。
その後ルイ16世統治の時代、ルイ・フィリップ2世がパレ・ロワイヤルを市民に解放する目的で、中庭にある回廊の部分を大々的に改装し、アーケードが出来、レストランや商店が作られました。
1871年にはパレ・ロワイヤルは完全に国の所有となり、現在、国務院や文化通信省などがあります。
まとめ
いかがでしょうか、ギィ・マルタンシェフとル・グラン・ヴェフールの料理についてまとめてみました。
ギィ・マルタン氏はフランスの東のサボア地方の出身で、フランスの各地方の特産物の特徴を活かした料理の継承に務め、日本との交流を大事にしたフランスの有名シェフです。
ル・グラン・ヴェフールはパレ・ロワイヤルにあり、伝統的でシックなレストランです。フランス料理のレストランの中でも伝統を重んじ、また素材を大事にした料理が味わえます。
栄養学の医師と本を出版し、病気の治療にもっとも効果的なのは食物であると、食育をしているのは、マルタンシェフらしいといえますね。
星付きレストランのミシュランの星の評価が目まぐるしく変わっていますが、ル・グラン・ヴェフールは今年も二つ星を維持しています。(^^♪
星付きだけあり、タイムリーに料理が運ばれてきます。なかなかお薦めです。