音楽学校と言えば、パリのコンセルヴァトワールがフランスでも威光を放っています。
音楽家を養成する高等音楽院です。
パリには音楽学校が数十あります。
この記事では、中でも威光をはなっている国立のコンセルヴァトワール、パリ市営のコンセルヴァトワール、また私立のコルトー音楽院をご紹介します。
「 コンセルヴァトワール音楽院」(CNSMD)とは?
8区パリ音楽院校舎
「Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse (CNSMD )de Paris 」といい、パリ国立高等音楽・舞踊学校のことです。
音楽と舞踊の高等教育機関で、フランスで頂点に立つ国立音楽院で、パリとリオンにあります。
数多くの作曲家、演奏家を輩出しており、現在も各国精鋭の学生が留学しています。
現在は移転して、シテ・ドゥ・ラ・ミュジック・ドゥ・パリ(La Cité de la musique-Philharmonie de Paris=19区)にあります。
コンセルヴァトワール(CNSMD)在学期間
目的の学科にもより、学業期間が2年から4年です。
音楽院は、大学の進級制度に沿ったプログラムで、大学卒業の資格が発行されますが、どのレベルで入るかで、必要期間が違います。
コンセルヴァトワール(CNSMD)入学に必要な語学レベル
ソルフェージュや歴史のレッスンもありますので、フランス語レベルは、B1からC1となっています。
●le TCF (test de connaissance du français) pour tous les niveaux (B1, B2, C1)
●le DELF (Diplôme d’études en langue française) pour les niveaux B1 et B2
●le DALF (Diplôme approfondi de langue française) pour le niveau C1
語学レベル証明が必要ですので、TCF,DELF,DALFの試験で証明ができます。
コンセルヴァトワール(CNSMD)入学の年齢制限
ピアノ、ヴァイオリン、フルート、ハープなど :22歳未満
サキソフォン、クラリネット、ファゴット、音楽学など :24歳未満
作曲家 :28歳未満
指揮者 :30歳未満
などとなっています。
コンセルヴァトワール(CNSMD)学費
大まかに600ユーロまです。
コンセルヴァトワールは、フランスにも2つしかないトップの国立学校ですが、各地方には、
Les conservatoires à rayonnement régional
地方のコンセルヴァトワールがあります。
この他に、パリには地方音楽院があります。
パリ地方音楽院といい、学費はまた別の設定です。
コンセルヴァトワール・パリ地方音楽院(CRR de Paris)
「Conservatoire à rayonnement régional de Paris 」といい、パリ地方音楽院のことです。
フランスにおける地方の教育機関で、フランス全体で41校ある地域圏立音楽院のひとつです。
欧州連合の指定する芸術高等教育機関として認定されています。
略称はCRR de Parisで、国立のコンセルヴァトワールとは違いますので、学費は親の収入により、1500ユーロくらいまでなり得ます。
学費の他に、楽器のレンタルフィーがあり、500ユーロにもなりえます。
パリの私立音楽院・エコールノルマル音楽院
エコールノルマル音楽院
「École Normale de Musique de Paris, Alfred Cortot)」といい、
私立で有名なエコールノルマル音楽院のことです。
私立ですが、フランスでは高等教育機関に認定されています。
ですので、大学のプログラムに沿った教育プログラムが行われている、私立音楽学校です。
1900年代初めに、オーギュスト・マンジョ、ピアニストのアルフレッド・コルトーと共に設立された学校です。
当時、パリ国立高等音楽院が、演劇や舞台音楽の専門化・細分化が行われことにたいし、作られたとなっています。
国立学校のコンセルヴァトワールへの入学は、コンセルヴァトワールの教育プログラムに沿った授業をしてきた生徒が入れます。
ですので、高校生になり音楽家を志望して入学したいと思ってもほぼ無理なようです。
そんななか、このコルトーであれば、モチベーションが高く、レベルが達っしていれば、入学できます。
コルトー音楽院がコンセルヴァトワールよりレベルが低いという意味ではなく、それまでコンセルヴァトワール用の教育プログラムで勉強していなかった生徒にもチャンスがあるということです。
アンサンブルアンフランセのAdrien先生は、こちらのコルトーのピアノ科の卒業生です。
コンセルヴァトワール卒業後の進路と就職先
音楽院を卒業後の進路は様々です。
ソロの音楽家になる人もいれば、オーケストラの団員になる、また生徒をとってレッスンをするなど、進む道は違います。
オーケストラの団員になるには、それぞれのオケの募集がありますので、応募して試験に合格すれば、入団できます。
公共のオケであれば、公務員ですので、採用後に解雇とはなりません。
就職といいますが、ソリストやカルテットなどで収入をコンスタントに得るには、ネットワークが必要です。
音楽家とて例外ではないようですね。
まとめ
パリのコンセルヴァトワールの音楽学校、地方のコンセルヴァトワール、私立のエコールノルマル音楽院についてまとめました。
コンセルヴァトワールのパリ国立高等音楽・舞踊学校以外も外国語人留学生を受け入れています。
入学試験もありますし、フランス語のレベルがB1以上は必要です。
ただ、それなりに、学費もかかりますので、給費生として申し込みをできれば、学費を安くできます。
奨学金枠もありますので、用意をして申し込みをする価値はありそうですね。