フランスのスーパーのカルフールといえば、千葉の幕張に海外進出した巨大スーパーチェーンです。
カルフールの取締役社長が今週の1月23日に今後の人員解雇と店舗の閉鎖計画を発表しました。
アレクサンドル・ボンパール取締役によると2022年までに、フランスの本社で2400人の解雇と、グループの273店舗の閉鎖をするということです。
カルフールは、フランス郊外にある巨大スーパーで、コマーシャルセンターとも言われています。
食料品の他に、洋服や小物や電化製品もあり、食事もついでにできるという便利な複合ショッピングセンターです。
カルフールに代表される流通業界は長い間フランスの花形産業でした。
これまで発展したきたカルフールは、なぜ今事業を縮小しないといけないでしょうか。
カルフールの成り立ちは?
カルフールのハイパーマーケット1号店は、1963年にパリの郊外に華麗に登場しました。
ハイパーマーケットといって、スーパーマーケットよりもっと大型なんです。
面積からみると、
- ハイパーマーケット(2500 平米以上)
- スーパーマーケット(400 ~ 2499平米)
- スーペレット (400平米まで)
の規模で区別されています。
カルフールは一番大きな部類のハイパーマーケットとスーパーマーケットです。
巨大スーパーですね。
ハイパーマーケットの1号店は面積が1万6千平米に、2千台の駐車場、400人の従業員がいる大型店でスタートをしました。
日本では、これほど大きなスーパーはお目にかかりません。
ダイエーやイトーヨーカ堂の規模の大型スーパーがあっても、1週間分をまとめ買いをするという事は日本ではしないのです。
それが、このカルフール1号店が建設された当時は、この〚大型店〛が流行したのでした。
この1号店の一階には、
など商品5000点が一杯に店内に陳列されたのです。
家族で一緒に行っても、見失うくらいの大きさですよね。
そして、2階には、電化製品、ゲームセンターなどもあり、このカルフールに行けば、必要なもの全てがこのショッピングセンターで手に入るという状態でした。
開店当時、カルフールに行って買い物をする世帯は、〚大所帯〛でした。
カルフールにいくことで、〚お出かけ〛をして、そこでなんでも買えてしまうというのが、当時の憧れの生活スタイルだったのです。
また、時代の変遷のなかで、旅行代理店もセンターの中にできて、殆ど必需品が揃うと状態になりました。
買い物客の生活スタイルの変化は?
カルフールのハイパーマーケットは郊外にあるので、行くには車が必要です。
車で行き、1週間分の食料品をまとめ買いをします。
1週間分の買い物ですから、レジでも1人10分は最低かかります。レジで大体30分位待ちの状態です。
それでも、値段が安い分30分レジで順番を待っても、待つ甲斐があると消費者は思っていたのです。
しかし時代の変遷で、家族構成が変わり、4人家族から1人になれば、郊外店まで行き、割引商品を買う必要もなくなります。
また、
- スーパーまで到着したは良いが、駐車するまでに1時間もかかる
- スーパーまでの渋滞をくぐり抜けて行くのが苦だ
- 30分のレジ待ちをしたくない
と感じるようになったのですね。そこで、
- 家の近所で買いたい
- インターネットで注文をして家に配達をしてもらいたい
- 少し値段が高くてもオーガニック品を買いたい
と、消費者の心理が変わったと言う事です。
またカルフールでの買い物は、昔は〚お出かけ〛の意味がありました。
子供は総合ショッピングセンターでゲームもやって楽しんでいたのが、今は、自宅でゲームを楽しみます。
洋服も、庭植えの材料も専門店に買いに行くという、より凝った物を専門店で買いたいという様式の変化となったということのようです。
インターネット注文ばかりになるのか?
今は、随分とインターネット注文が増えました。
車で郊外まで行くのはいいが、注文はインターネットでしておいて、注文品を受け取りにいく〚ドライブ〛と言う方法や、家に配達してもらうという形態に変わってきています。
しかし、全ての人がインターネットで注文をするということではないようです。
人と人のつながりを大事に考えている人もいます。
ネットではなく、近所のお店で買い物をしたいと考える人が増えているということですね。
事実今は、小規模スーパー(スーぺレット)が増えています。
カルフールの小型に〚カルフール・エクスプレス〛があります、また別の小型スーパーの、〚フランプリ〛です。
カルフールは、もっとこのような小型スーパーに力をいれていくと言っていますね。
大型店と違って、色も茶色とオレンジの色調で、おしゃれな感覚だと思います。
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まとめ
時代の花形業界のリーダーであったカルフールの人員解雇と店舗の閉鎖は、時代の流れを色濃く表す事象と感じました。
消費者がインターネットや小型店で買い物をしていく傾向を読み取れず、業界1位から引きずり落とされたカルフールです。
今後1位へとのし上がった〚ルクレルク Leclerc〛とどのような攻防を繰り広げていくのかです。
ただ、一ついえることは、スーパー間の攻防があっても、自然食品に今後消費者の関心が集まるということです。
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