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フランスで退職金の計算は?ゴーン被告がもらえたはずの33億円の根拠は?

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コロナ感染で暫くニュースにならなくなった、日本から逃亡したゴーン被告。

日本での逮捕された時には、退職金を計算して、とんでもない金額になると、各紙が算出していました。

フランスで勤務していると、労働者側の権利の保護が手厚と感じるところですね。

社員の解雇が簡単にできないことで、社員が路頭に迷う落速度をおそくできます。

フランスでの労働で、「競合他社への勤務禁止」という条項が労働契約書にあります。

この条項があることで、解雇されてもすぐには競合他社へ勤務ができない、またその分解雇金も大きくなるという事です。

この条項を、「クローズ・ド・コンキュロス」といいます。

この条項があるせいで、役員などは、高額な解雇金を手にしています。

こうなると、解雇されても、余裕のある状態をたとえて、金ぴかの落下傘(パラシュート・ドレ)と言っています。

フランスのパラシュート・ドレ

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パラシュート・ドレの解雇金の内訳

解雇金を含めた退職金がどのようになるか、労働契約に種類によりも違いますが、次の状態かで違ってきます。

  • 解雇
  • 辞職
  • 協議解雇

これら無期限雇用の場合、これらの3つになります。

解雇と、辞職については、こちら↓の記事を参照してください。

www.franceinfos.xyz

コロナ感染で今は、話題にならなくなりましたが、

日本から逃亡したカルロスゴーン被告が、日本で逮捕された時に、このパラシュート・ドレになるのではないかと、噂が噂を呼んでいました。

彼が逮捕され、日本警察により留置場送りになったのが、2018年の11月でした。

それでも、クリスマスの前に家族のもとへ帰れる希望が湧いたときもありましたが、また新しい容疑で、仮釈放も見送られました。

これら一連の報道を通じて、フランスではゴーン被告の取り扱いが、「ひどい」と言われてもいたのは、6畳の狭い場所に閉じ込められて、ある意味非人道的な留置とも。

ところが、高所得者である彼が、フランスで所得税を払っていなかったことが知れてから、フランスでも彼への同情が一気に冷めました。

同情も、納税をしていればです。

加えて、辞職に追い込まれたのに、莫大な退職金を手にすることになり、合法的とはいえ、彼がなぜそこまでの大金を手にできるのかと、声も上がり、

なにせ、刑務所にいる間も解雇されなければ、雇用は続き、毎日解雇金も膨れ上がるというものです。

退職金の推定金額は、2500万ユーロ~(31億円)です。

解雇をされるにせよ、莫大な解雇金を手にできるのは知っていた彼です。

こんな莫大な解雇金を手にできるのを、フランスでは「パラシュート・ドレ」と言っています。

最近聞かなかった表現ですが、その内訳とは、

ゴーン被告の解雇金推定

ゴーン被告は解雇されたのではなく、辞職したとなっていました。

公金の横領をしたとみなされる前ですので、辞職扱いとなりました。辞職日は留置場送りとなった日、2018年11月19日ではなく、2019年1月24日とされています。

給与をも含めた彼が手にするだろう項目は、

①2019年1月の給料

②2018年のパフォーマンスの報酬

③2018年までのストックオプション

④2019年から2年間払われる慰謝料

⑤65歳から毎年

となります。

年間のベースとなる給料は、フランスのエコーという新聞には、100万ユーロとありましたので、べースを100万ユーロで計算すると、2019年の1月の給与は、

【①給料】 辞職の承認日が1月24日とすると、年俸が1000000ユーロとして、1年を12か月で割り、24日を掛けると、1000000/12X24=66.666ユーロ(約830万円)になります。

辞職が2019年1月ですので、2018年は1年を在職していたと考えます。

フランスの新聞の、経済評論家(二コラ・べトーさん)の引用を書きます。

 

Concernant la rémunération variable pour 2018, le calcul sera plus complexe. Sur le plafond fixé à un million d’euros, Carlos Ghosn ne devrait pas pouvoir toucher les 75% prévus sous forme d’action gratuites. Ce versement était soumis à la présence du dirigeant au conseil d’administration en 2022, à l’issue de son mandat renouvelé en juin dernier. Il pourrait tout de même recevoir la partie versée en cash de cette part variable, soit 250.000 euros. 引用先 : カルロス・ゴーン 退職金

 

そうすると、1年満期で働いたと考え、2018年度の功績としてボーナス(Variableといいます)が支給されます。

【②ボーナス】 フランスで一般的に、管理職や、取締役員は、「今年はこおいうことをやります」と目標が達成して、仕事をよくやりましたと評価されれば支払われるもの。 これが、25万ユーロ(約2800万円)。

しかし、これだけではなく、もっと多額なのが、ストックオプションといって、会社株の譲渡があります。

 

"“Si Carlos Ghosn démissionne de ces fonctions à sa seule initiative afin de faire valoir ses droits à la retraite, il pourrait donc se voir attribuer définitivement la totalité des actions de performance simplement attribuées au titre de ses rémunérations long-terme, soit environ 22 millions d’euros (au cours de clôture du 22 Janvier 2019)”, résume une synthèse réalisée par le cabinet Proxinvest qui conseille les actionnaires et notamment ceux de Renault. 引用先 カルロス・ゴーン 退職金

【③ストックオプション】

同じく、二コラ・ベトーさんの解説によると、そのストックオプションの金額がなんと2千2百万ユーロ(約25億円)に上るということです。この金額の算出はある証券会社がしています。

そのほかに、

【④同業の就職禁止条項による手当】

取締役にかぎらず、一般社員でもカードルだと、企業の機密情報を同業者に渡さないように、辞職や解雇する場合には、同業企業に転職することを禁じる雇用契約があります。

この条項を、「クローズ・ド・コンキュロン」といいます。

フランス語で、「Clause de Non-Concurrence」で、ゴーン被告は、2年間他社での勤務を禁止する雇用契約だったようですので、毎年1000万ユーロ(約13億円)が2年間もらえることになります。

【④年金】今後の補足年金額が毎年、76万千ユーロ(約9500万円)という、莫大な金額になります。

年金は毎手にはいるのが大きいですね。

 

 

【退職金の合計】

上の①から⑤の明細は、

①66.666ユーロ(2019年1月の給料)

②25万ユーロ(2018年のパフォーマンスの報酬)

③2千2百万ユーロ (2018年までのストックオプション)

④1000万ユーロ/年 (2019年から2年間払われる慰謝料)

⑤80万ユーロ/年 (65歳から毎年)

⑤を除くと合計で約2400万ユーロとなり、約26億円にのぼります。

新聞で、はっきり数字を確定していないのは、ストックオプションがはっきり何株になるのか、確定できないことと、パフォーマンスの面で、満額だすかどうなのか、また未知数だからです。

しかし、だいたい算出した金額が、ゴーンさんの手元に行くことになります。

このくらいいただけると、「パラシュート・ドレ」になります。

 

ルノーの支払い義務

ところが、ゴーン被告が会社の経費を使った散財の様子がニュースになり、2018年末までは同情心がとても強かったですが、それも終わり、ルノーも支払い義務がないともいえるようになったようです。

Des sources avaient auparavant déclaré à Reuters que le montant cumulé de ces indemnités annulées par Renault s'élevait à 30 millions d'euros.

引用先 Indemnités de départ : Renault pulvérise le parachute doré de Carlos Ghosn

訳→ルノーが支払いを取りやめた金額は3000万€(約33億円)に及ぶ。

とありますように、2019年の3月では支払いを取りやめてていました。

レバノンの逃避した被告への支払い金額と、被告へルノーから要求している金額の総裁がどうなるのか、裁判所が決定するのでしょう。

 

まとめ

以上、典型的なフランスでの「パラシュート・ドレ」についてまとめました。

政府はルノーの株主ではありますが、保有数も15%まですので、ゴーン被告の報酬や株のストックオプションについて、どうするかは決議権はありません。

フランスではまたアメリカの役員のように、膨大な報酬を手に入れるというのは稀です。

被告が約12億円の年俸の契約をしていたことも、日本の刑務所入ってから、ルノー後継者の年俸もさがりました。 ですので、この約30億円というのは、フランスでは最後の目にする数字なのかもしれません。

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