オランド前大統領が大統領に当選をしたのが2012年5月でした。
選挙活動に大きく貢献したのは、元伴侶のヴァレリー・トリバイラーさん。
ところが当選後2年も経たない2014年1月、オランドさんには別に新しく愛人ができ、トリバイラーさんが追い出されるかのように、エリゼ宮を後にしたのでした。
トリバイラーさんは、いとも悲しそうだった。
選挙活動を手伝うために、自分の仕事を辞め、大統領夫人として公務をこなしてもいたので、破局を迎えた女性の将来を心配する声もあったのです。
と誰しも思っていたところ、エリゼ宮を後にした彼女は、『この時よありがとう』というオランドさんとの関係を書いた暴露本を出版し、復讐をするのでした。
そこまでの復讐をするには、それなりの理由があったのでしょう。
オランド前大統領とヴァレリーさん

ヴァレリー・トリバイラーさんとオランドさんのなれそめは2005年、政治部担当のジャーナリストとして社会党党首のオランド氏と知り合ったとのこと。
大統領戦には影となりオランドさんを支え、当選をしたオランドさんの勝利に貢献した人物とも言われていました。
事実トリバイラー夫人さんは雑誌社の記者で、投稿で彼を支えていたと言われています。
彼女にしてみれば、大統領に当選後には二人の生活を享受したいという思いもあったのでしょう。
ところが、オランドさんには同じ社会党員の以前の奥さんがいました。
2007年の大統領候補だったセゴレ―ヌ・ロワイヤルさんです。
ロワイヤルさんは大統領選でサルコジ候補に負けてから要職につくことなく、地方の委員をする程度となっていたのです。
この元奥さんの地方選挙の応援で、後で二人の関係がこじれることになるのでした。
それだけなら良かったが、極めつけに、オランドさんにはジュリー・ガイヤなるほとんど無名の女優さんという愛人がいることがわかったのでした。
オランドさんの別の恋
愛人の存在をトリバイラーさんが知ったのは、クロ―ザーという芸能関係週間誌でした。
2014年の1月10日号に、大統領官邸のエリゼ宮からヘルメットをかぶり、スクーターで愛人宅まで通っているオランドさんの姿が掲載されたのです。
スクーターの写真は前年の12月に撮影されたもので、トリバイラーさんは、愛人との密会の様子を雑誌を通し知らされてしまったのです。
トリバイラーの本の出版
トリバイラーさんはあまりのショックで入院となり、約10日で退院をするものの、エリゼ宮を後にします。
結局エリゼ宮にいた期間は18ヶ月と短かったのです。
愛人問題が発覚し、関係が破局し、悲しみにうずくまっているのではないかと思っていたところに、トリバイラーさんは、本を出版することにしたのです。
本の出版は2014年9月、『この時よありがとう』。
かなり恨んでいたのでしょうね。
2人のなり染めから、破局までの成り行きを書きベストセラーとなりました。
発売が9月4日、16日間で、44万部を超す大ベストセラーとなったのでした。
- 単行本
- 文庫本
- EBOOK
と合計で、1年で60万部数となり、トリバイラーさんが手に入れた印税は、約1億5千万円といわれています。
一挙に彼女は大金を手にするのですが、彼女には同情やら批判も集まりましたが、それ以上に、オランドさんには、
『情けない男』
というレッテルが張られ、支持率低下に拍車がかかり、第5共和政の大統領支持率が低下し、15%台となってしまいました。
フランスとして、もっと情けないこととなったのです。
身内のいざこざが国レベルで披露されるのは、避けてほしかったですね。
まとめ
オランドさんとトリバイラーさんの関係を暴露した、クロ―ザ誌はオランドさんに訴えられ15000ユーロの損害賠償金を当時のオランドさんの愛人へ支払うことになりました。
この週刊誌クロ-ザ誌は1部が1,5ユーロ(約200円)で、その週は、30万部を即売後、増刷し60万部となったようです。
その他ネットでも収入があったようですので15000ユーロ(約2百万円)の損害賠償金を払っても、元はとてたよです。
皮肉にも、なさけない男とレッテルを貼られ、第5共和制のフランスで一番の不人気率となったオランドさんは、この時フランス経済に貢献したのでした。
【今日の単語】 les dommages et intérêts ( 損害賠償金 )
un garde du corps ( 護衛 )
une rupture ( 破局 )
les droits d'auteur ( 印税 )
une maitresse ( 愛人 、教師)