「フランスに転勤」と辞令がでて、慌てて用意をすることになった方もいるのではないでしょうか。
余裕がある転勤辞令ならいいですが、2,3ヶ月前にとなると前任者からの引き続きも難しいです。
フランスは住みやすいかというと最初はそうでもないと思います。
一つには英語が通じないこともあり、これが一番ストレスになるかと思います。
着任時に自分自身の居住先の準備もあり、仕事に専念する時間が少ないなか準備をすることになるかと思います。
フランスでは従業員の労働条件が細かく規定されていますし、上手く関係を構築していくのに気をつかいます。
そこでこの記事では、フランスに到着してから、会社の中であり得る諸問題、またいざの時のために相談できる機関をご紹介します。
フランスの会社内のフランス語書類

辞令後に急にフランス語を勉強しても、すぐに覚えられることは僅かです。
現地では書類はほぼ全てフランス語です。
官公庁からの書類はフランス語ですし、居住先アパートの賃貸契約書もフランス語です。
公的・私的フランス語書類
事務所の設立も行う場合は着任後に事務所を見つけ、会社の登記からはじめます。
ざっと、登記関連の書類や税務署から通知など官公庁から送られてきます。
並行して社員を雇用もすると、労働契約書もフランス語です。
具体的には、出張で現地入りし、弁護士事務所などに依頼して、会社の定款作成から登記、就労を含めた滞在許可証の手配がされているはずです。
- 転勤の住まいのアパートの賃貸借契約書
- 勤務先会社建物の管理組合からの通知
- 従業員の労働契約書
- 官公庁からの登記の通知書
設立が終われば、社員の採用を行わないといけません。
フランスで業務委託依頼先
社員の雇用は、どの会社(事務所)の形態かにもよるでしょう。
- 日本本社の支店
- 日本本社の子会社
主に二つがあります。
支店の駐在事務所か、子会社の違いの他、会社の形態(SAS,SARLなど)で、設立後の予算が違ってきます。
会社の形態が支店の場合は、費用のVATが還付されないことや、社員の給与の一部の給与税がかかります。
形態如何により、現地税務署に提出する消費税の申告、決算書、事業報告書の提出があります。
年間のどの時期に、どの書類を提出するかは、現地の会計事務所や、大手の法律事務所で必要な情報が入手できます。
会計事務所と契約をし、すべて丸投げということもあいります。
日本本社への、事業報告書の提出は、フランスの決算書を日本本社のフォーマットに置き換えればいいだけです。
これは、フランスの決算書ができるように、フランス側の人員をそろえるようにしないといけません。
そこで、アドミ側の社員、営業の社員を何人雇用するか、日本語を話せる社員を雇用するのかなど、運営がなるべくスムーズになるように考えます。
フランスでは、カードルと非カードルといい、管理職と非管理職の社員の扱いが違います。
管理職の社員を優遇するようなシステムになっており、給与体系や有休も違っています。
フランス着任時に起こり得る問題
着任してから起こりえる問題で、社員の解雇問題になることもあります。
着任時の解雇問題・前任者がいた場合
新規に会社設立ではなく、存続している会社に着任した場合では、社員の解雇問題がでることがあり得ます。
ディレクターの交代でおきる摩擦問題です。
日本人の駐在員に限ったことではなく、フランスではなきにしもあらずで、
着任当時は、わからないことだらけで、自分の力が弱くなっています。
以前からいた社員の中には、新しいディレクターが非力と感じ、そんな時に協力してくれる社員と、そうでない社員に分かれます。
新規立ち上げの場合は、それとは反対に、自分で社員を雇いはじめ主従関係を作りやり易いのはありますね。
転勤後、最初に頼れる、信頼できると感じられる社員を雇用できさえすれば、実際に肩の荷が下りると思います。
業務の遂行に専念できます。
採用者をフランス人社員にするか、同じ現地社員でも日本人にするかで、職務内容も変わってくるはずです。
営業職はだいたい現地のフランス人のナショナルスタッフを雇用しても、アドミ関連のスタッフは、日本人にしたいか、フランス人にするかは分かれるようです。
先ほどご説明しました、アドミ関連の業務を採用する社員に任せるよりは、外部の経理会社にまるごと任せて、申告はもちろん、記帳までも依頼する会社もあります。
社内の人員へはフランス語で公官庁から送付される、わからない間は書類を正確に訳してもらえると、アドミ部分はスムーズに進みます。
ここできをつけることは、外部の会社とてミスはありますので、社内社業を多く比重をかけていくほうが、楽で早いです。
着任して間がない間に、どの部署にどんな社員を雇うか、英語で会話をするか、日本語が母国語の日本人を雇うかは、判断です。
新設で人事問題がするに起こることもないと思いますが、着任時にすでに社員がいて、人事で問題がおこれば、どこかの事務所に相談するのが無難です。
解雇問題の相談先と依頼先
経理事務所でも人事問題を扱っている事務所があります。
給与明細を経理事務所が作成していれば、労務関連の部署に人事問題がおこれば相談ができます。
その経理事務所とどのような業務委託がされているか、相談ができるのかを明確にするのがいいです。
大体は、このような経理事務所は、当局に提出する事業報告書なども全て作成しており、そのほかに労務相談もできます。
最初の従業員の雇用契約の作成の以来もできます。
- 無期雇用
- 有期雇用
- 代替え雇用
- 研修雇用
雇用契約書の作成も弁護士事務所や会計事務所へも依頼が可能です。
決算書の作成に限らず、社内で将来、解雇問題が起こるようなことがあれば、やり取りはフランス語で行われます。
解雇に発展すると、資料の提出がフランス語でするので、英語や日本との場合は、翻訳をするので時間がかかります。
労働争議がらみの問題も会計事務所か、弁護士事務所に依頼できますが、費用が違います。
弁護士事務所は1時間いくらの費用で、会計事務所であれば、1年間のパッケージになっていることろが多いです。
争議中に、残業代の未支払い、有給休暇の計算などのもろもろの問題が起こると、弁護士事務所へ資料の作成を依頼すると高額になるため、会計事務所へ依頼することも一つの手段です。
有給日数の計算についてはこちら↓の記事をどうぞ。
日常的なことでも、エネルギーを吸い取られることが、最初は多いかもしれません。
依頼先の選択と費用
解雇問題などが起きた時には、大雑把に、
- 在仏日本商工会議所
- ジェトロ
- 日本人会
などで相談ができます。
上の機関には、人事等の専門性をもった人材がいます。
アポをとり、相談ができます。
人事問題以外でも、過去の様々な問題が出てくる場合もあります。
最初の登記の際に、会社の業務内容が違って登記されているなどもあります。そうなると所属する団体協定も違ってきますので。
不適切な所属のままで、何年も経過するなど、後追いで修正することもありえます。
大手の弁護士事務所に会社設立を依頼しても間違いもありますので、相談予め複数に相談をしておくと、間違いなども発見できる可能性もあります。
相談先は、経理事務所の他に、弁護士事務所もあります。 ただ、弁護士事務は報酬単価が高いです。
またはフランス語のオンラインスクールなどで、個人レッスンをとり相談するかです。
この中で、
- 在仏日本商工会議所
- ジェトロ
- 日本人会
ジェトロと、日本人会は無料で相談ができるはずで、ジェトロの相談は質が高いです。 ただ、ある一定のレベルまでいくと最後は弁護士案件になってきます。 レターを送るなど、1次1句に気を付けた内容にしますので、依頼するときは、神経質になってもなりすぎることはないと感じます。
まとめ
フランスへの転勤後から駐在のスタート時に起こりうる概要をまとめました。
着任当時には、全てフランス語で書かれている書類、税務署や商業裁判所などの官公庁からの通知文など、不明な流れを説明してくれる、補助をしてもらえる社員と雇用関係を結べると、とても楽です。
しかし、その後関係が悪化し、いままで頼りに出来た人と労働争議になるというのもあり得ます。
そんな解雇問題があると、弁護士事務所や、会計事務所で相談ができます。
在仏日本商工会議所
ジェトロ
日本人会
などでは、日本語で相談ができます。
フランスで全て英語で解決するのは無理ですので、出発するまえから、フランス語レッスンは受けてフランス語の勉強をしておくのがいいです。
フランス語のオンラインスクール➡こちらから、スカイプの無料体験レッスンの申し込みができます。
このようなオンラインスクールのレッスンはフランス語レッスンをする人が多いのですが、駐在員の方でもレッスンをうけている方もいます。
着任していきなり、弁護士に相談するということはないですが、また、そうならないことを望みますが、そうなれば費用がかかります。
解雇などなければいいのですが、雇用者側と、従業員側に分かれてしまうことが往々にしてしてあります。
そうなると消耗戦になりますので、どこかで落としどころをみつけられるように、情報を多くとれるように、選択肢を多くしておくのがいいです。