2月10日からパリで開催されるAIサミット。
人工知能(AI)の発展とその規制に関する国際的な議論を深める目的です。
フランスが、人工知能専用の大規模データセンターを開設を進めており、プロジェクトはアラブ首長国連邦(UAE)の支援を受け、欧州最大と称されるAI専用の「キャンパス」の一部となります。
パリのAIサミット
フランスとインドが共同議長を務めるAIサミットは、2月10日と11日。
このサミットは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とインドのナレンドラ・モディ首相が共同議長を務め、約100カ国の政府代表、IT企業のトップ、研究者、NGOメンバーなど、幅広い参加者が集まる大規模な国際会議です
このAIサミットは、エコール・ポリテクニークで円卓会議2日間で始ります。
タイミングはまさに、アメリカのスターゲート計画に対抗するかのように、アラブ首長国連邦のデータセンター建設の大規模投資プロジェクト300億から500億ユーロ規模の投資が、フランス主導で発表されました。
【データセンターについてはこちらの動画で解説しています】
プロジェクトはアラブ首長国連邦(UAE)
「300億から500億ユーロ」と見積もられる投資は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とアラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領のパートナーシップ協定に基づくもの。
プロジェクトはアラブ首長国連邦(UAE)が支援する投資ファンドMGXを含む「仏UAE連合チーム」によって推進されます。
プロジェクトの大規模投資
アラブ首長国連邦による大規模投資プロジェクトの内容は、
- 300億から500億ユーロ規模の投資
- 欧州最大のAI専用キャンパス建設
- 計算能力1ギガワット規模のデータセンター
フランスのデータセンター用地
フランスのクララ・シャパズAI大臣は、国内の新しいデータセンター設置のために35の用地が「即使用可能」であることを発表。これらは約1,200ヘクタールを占め、その場所は来週初めに発表される予定です。
マクロン大統領は日曜日、「20時のニュース(GMT19時)の直後に」フランス2とインドのメディアFirstpostのインタビューに応じる予定です。
月曜と火曜の外交協議の前に、大統領特使アンヌ・ブヴロ氏によると、これは「共有された進歩への意思表明」につながるとのこと。
サミット参加国
サミットには100カ国が参加予定、約100カ国が参加し、アメリカのJ.D.ヴァンス副大統領、中国の張国清副首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、ドイツのオラフ・ショルツ首相が出席します。
しかし、イーロン・マスクと中国のスタートアップDeepSeekの創業者梁文峰さんの出席については不確実性が残っており、エリゼ宮は依然として「協議中」とのことです。
火曜日には、フランスのFreeの創始者グザビエ・二エルさんが設立したスタートアップ・インキュベーターのStation Fで「ビジネスデー」も開催されます。
Deepseekとアメリカのスターゲート計画
アメリカでは、大統領就任でスターゲート計画を発表したばかりです。
このスターゲート計画は、5000億ドル(約78兆円)という超大規模な計画でした。
2025年のChoose Franceサミット
フランスとアラブ首長国連邦の計画は、小規模で、フランスへの投資(300億から500億ユーロ = 約4.8兆円から8兆円)と米国のスターゲート計画(5000億ドル = 約78兆円)の約10分の1。
投資規模
投資規模の比較をすると、
UAEのフランス投資:最大8兆円
米国スターゲート計画:約78兆円
単純な数字の比較では、米国の計画は約10倍の規模となります。しかし、以下の点が違っているのですね。
目的と投資主体の違い
目的の違い
フランスの計画:特定のデータセンターとAIキャンパスの建設
米国の計画:国全体のAIインフラ開発
投資主体の違い
フランス:外国(UAE)からの民間投資
米国:政府主導の国家プロジェクト
地理的スケールの違い
地理的スケールの違いも、
フランス:単一の拠点開発
米国:国全体のインフラ整備
と、金額の違いは、計画の性質や目的で違いがでています。
また、フランスの計画は現在のアラブ首長国連邦からの投資の一部に過ぎず、35のデータセンター用地など、他の開発計画も並行して進められています。
フランスのAIパリサミットの意義
欧州全体でのAI主導権確保を目指すということです。
フランス・欧州製AIの積極的採用推進
AI産業はシリコンバレーに集約されている、または中国の攻勢のなか、欧州は大きく遅れをとっていたり、SNSの規制撤回に走る動きがあり、欧州特有の規制の価値があるAI構築をするということです。
つまり、
- 米中の二極化に対抗する第三極としての欧州の確立
- フランス・欧州製AIの積極的採用推進
- 適切な規制による安全なAI開発の実現
これらの目的を通じて、フランスはAI分野における世界的な競争力を確保しつつ、欧州全体のAI開発をリードする立場を目指すということです。
まとめ
フランスで開催されたAI世界サミットで、アラブ首長国連邦が欧州最大となるAI専用キャンパスと巨大データセンターをフランスに建設することが発表されました。
投資額は300億から500億ユーロ規模で、アラブ首長国連邦とのフランスの蜜月が感じられるものです。
フランス政府は並行して、新たなデータセンター受け入れ用の35サイト(総面積約1,200ヘクタール)を準備していることを明らかにしています。
今後のデータセンターのエネルギーの効率的な運営が鍵となります。
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参照元サイト
ラデペッシュ
フランスアンフォ